
Videographerの倉田です。
4月8日の午後に、名寄のあるポイントの積雪状況を確認したメールの返信から、トントン拍子に話が進み、その3日後の11日午前9時には利尻島、鴛泊港に立っていました。
そんな急展開からスタートした利尻トリップの報告です。
名寄在住のフリースキーヤー、池田悟郎君とのメールのやり取りで急遽決まった利尻トリップ、あまりにも手元に情報がないことから、視察ということを頭に置きながらの調整となりました。

ライダーは伊藤大輔と佐々木慎吾。二人と合流し、4月10日金曜日の夕刻に札幌を離れました。
道央道〜留萌道を経て、日本海に出ます。留萌を離れた頃には日も落ち、空は深い色になっていました。

留萌の先の羽幌の手前にある風力発電の風車はライトアップされています。恒常的に吹く風を利用した風力発電は、羽幌〜天塩〜稚内間の海岸線に数多く設置されています。近くで見ると怖さを感じるくらいの大きさです。

せっかくなんでご当地メニューで夕食を、ということで、羽幌市街にて「エビタコ餃子」を食べました。私はスープ餃子、さすが日本海です。ライダー二人は揚げ餃子カレーを食べていました。

稚内ステイで、土曜に備えました。稚内の朝は快晴。いやでも期待が膨らみます。

フェリー乗り場にて、Seamoreクルーと合流。店長のワタルさん、悟郎君、そして名寄を中心に活動するAUCENTRIKEのフィルマー、通称キムニイです。フェリーはHeart Land Ferryです。ワタルさんの手配でなんと1等客室で2時間半程度の航路を快適に過ごすことができました。

海は荒れていますが、標高1700mクラスの利尻岳はくっきり見えます。その神々しさに期待と不安が交錯し、身震いしてしまいました。

鴛泊港につくと、先に入っていたスノーボード映像作家328さんの
WONDER VISIONクルーがいました。自分たちと入れ替えでスノーボーダーが2名帰るのを見送りにきていたようです。328さんはどこでもいますね、ホント。

アテンドそして宿までお世話になった佐藤大樹さんのやっているお店、MISTRALです。
RISHIRI CROWという形でアテンドをしながら、BAR的なお店をやっています。ビリヤードやダーツもあり、島の若者たちが集まるところです。

MISTALで早速着替えて、昼食を購入し、鬼脇地区から山へエントリーします。大樹さんはWVと私達をポイントが一緒なので一度にアテンドします。WVはすでに数日前から入っているようで、フッテージを絞っているようです。

土曜の撮影ポイントは豊仙沢です。ポイントまでは中継ポイントを一箇所経由して、ピストンで上がりました。ポイントにつくと、無風のピーカン。こんなに穏やかな状態はほとんどないとのことでした。それだけで当たりだと。谷の末端から下を見ると、谷のすぐ先に海があるように見えます。

そして山側を見上げると…どこにいるのかわからなくなる風景が飛び込んできます。奥には万年雪と呼ばれる大雪渓があります。その切り立った岩壁群は、私の眼には氷河地形以外何物にも見えない迫りくる地形でした。あとから調べてわかったのですが、越年雪渓は数十メートルもあるとのこと。雲に時折隠れますが、終始確認できた山頂は見ないで帰る人が多数とのことで、それだけでもホント当たりだなと実感しました。
慎吾と悟郎君は、この圧倒的な雰囲気に若干飲まれ、土曜は実力を完全発揮することはできなかったようでした。

そんな中、Dai-Kこと伊藤大輔はこの斜面を一人ハイクアップして、あるラインをチョイスし、しっかりとターンを刻んできました。土曜のMVPは大ちゃんでした。大樹さんも感心する滑りでした。

撮影に同行したSeamoreの店長、ワタルさんとライダーの美里ちゃん。美里ちゃんは大樹さんの娘です。たまに親子らしいぶっきらぼうな会話をしつつ、それでもちゃんと一緒にいるのは微笑ましい感じでした。

下山後は、島を一周してもらい、簡単ながら利尻観光をしてきました。温泉で疲れを取った後は、夕食はMISTRALにて鍋をごちそうになりました。

鍋には、ツブ貝を丸ごと入れる贅沢さ。利尻の家庭ではごく一般的だとさらっと言われました。ホタテもあり得ないほど大きなものでした。

鍋の向こう側にいるのは大樹さん。色々と話をすることができ、非常に充実した夜でした。スノーボーダーだけでなく、フリースキーヤーが利尻に来てくれたことを喜んでもらえたのは幸いでした。

明けて日曜、朝から強い風が吹いていました。強風で雲が変形し、丸みを帯びています。もっと強くなるとUFOのように丸まってしまうとのこと。利尻岳と雲が対峙する、そんな構図に見えてしまい、畏怖の念を感じずにはいられませんでした。

大樹さんのモービルは板を装着する自作ラックがついています。逆ベントスキーを2セットつけると、スノーボード2セットよりイカツイです。

撮影ポイントまではピストンの予定でしたが、偶然地元モービルチーム(割と年齢が高い)と出くわし、クルーを一気に標高800m付近、7合目まで連れて行っていただけました。おかげで時間に余裕ができ、予定以上の3フッテージで撮影することができました。日曜に上がった南陵は風が強いのか、至る所にウインドリップやボウル状の地形ができていました。そこにてジャンプや当て込みの撮影。風は強かったものの、海を背景に開放感のあるフッテージでした。

予定通りの時間に下山し、ほっと一息。市街は春の陽気で、濡れた板もすぐ乾いていました。

328さんの率いるWVクルーにトラブルがあったので、帰りは時間がタイトとなりましたが、無事フェリー乗り場へ到着できました。その前にはみんな小腹を埋めるためにセイコーマートへ。利尻島はセイコーマートが3店舗あり、利尻コンビニ業界を独占しています。コンビニのかゆいところの手が届く感を再認識したトリップでした。

利尻岳に別れを告げて、日本海へ。帰る時には太陽は隠れ、若干寒々しい雰囲気でした。大樹さんとWVクルーのフォトグラファー・岡ピーが最後まで手を振って見送ってくれました。大樹さんと別れの握手をした時には感情にグッとくるものがありました。

帰りもワタルさんの手配で1等客室にて、ゆっくり帰ってくることができました。フェリーが出た後ははしゃいでいたみんな、すぐに眠りの国へ2時間ほど旅立っていました。

稚内では、先に戻っていたワタルさんのいる
Seamoreに寄らせて頂きました。落ち着いた雰囲気の店内で、日曜の撮影について報告してきました。悟郎君と慎吾はOAKLEYトークに花を咲かせていましたね。Seamoreの
HPにも今回のことが報告されています。

陸路350km近く、航路を合わせると片道8時間弱の道のりとなった利尻トリップ、帰りは札幌へ戻る美里ちゃんも加わり、ドライバーの倉田はトークで眠さに負けることなく無事帰札しました。7時に稚内を出て、12時には札幌市内着。途中さすがの疲れに糖分を欲していたので、MAXコーヒーをチョイス。ハードな行程の終わりにはちょうどいいかもしれません。
今回のトリップでは、利尻岳の雄大さやローケーションの素晴らしさの一部を感じられたことはかなりの収穫でした。ただその反面、利尻岳の厳しさや山のリスクをまざまざと突き付けられたことも忘れられません。
誘ってくれた悟郎君、色々と手配をして頂いたSeamoreのワタルさん、本当に感謝いたします。
そして、どこの馬の骨ともわからないだろう、KAIEntクルーを昔からの旧友のように接してくれ、現場では常に見守ってくれ、間違いのないように導いて頂いた、利尻のカラスこと、佐藤大樹さん、本当にありがとうございました。
来シーズンは今回のトリップを踏まえて、しっかりと計画し、利尻岳の素晴らしさとフリースキーが100%コラボレーションできるようなシューティングに行きたいと心に決めました。ただ、ハイシーズンに行くにはまだまだ知識と経験、装備が足りません。しっかりと身につけるよう、努力する必要があることも強く思いました。
色々と山積するやるべきことを早々に片付け、夏には楽しむ利尻観光トリップをしようと、誓った4月13日月曜の午前1時でした。きっかけから終了まで5日間、偶然と繋がりで問題なく過ごせたことに感謝です。